その言葉を聞いて自分の顔が紅潮していくのがわかる



バレバレだ


もう何を言う必要もない



私はただ俯いて自分の首を隠していた



「俺が誰を好きか知りたいって?」



え?



私は恐る恐る顔を上げて斗真くんを見る



そこには初めてみる苦痛に歪んだ斗真くんの顔




「俺はお前が本当は誰を好きなのか知りたいよ」



そう言って私に背を向けて斗真くんは教室から出ていく



「斗真くん…!?」



私はありったけの力で斗真くんの背中に声を掛けるけどまったく効果がない



私の本当に好きな人?



そんなのわかりきってるよ?



最初からずっと斗真くん以外いないんだから



もうわかんない



全然わからんないよ



私は教室の壁に背中を預けたまま膝を抱えて泣きじゃくっていた