「え?」



私は思い詰めた顔をしていたのかもしれない


「どうしたの?」


優ちゃんがパンを食べる手を止めて、すごく不安な顔で私を覗きこんでいる



「これがどうかしたの?」


「ううん…違うの…あ、でもこれ、ちょっと預かっててもいい?」


「もちろん大丈夫だよ」



私はその斗真くんの物かもしれない校章を優ちゃんから受け取り


いつか作った百円玉が入ったお守りの中にねじ込む



そしてまずは腹ごしらえ!決戦の前にはお腹いっぱいにしないとね!



そう思って目の前のパンを急いで頬張る



色々してたからもうすぐ授業が始まってしまうから



大丈夫


きっとこれは優ちゃんが好きだけど


告白する勇気の持てない誰かの仕業に違いない



でもその誰かが斗真くんだったとしたら?



私はそんな考えを打ち消すように首左右に振る



やめよう



とにかくどうにかして確かめなきゃ



私はそう願うような気持ちでパンを頬張っているとお昼休みが終わる鐘の音が響いた