しばらく立てずにいた


『文哉・・・会いたいよ』

涙を堪えて私は公園をあとにした
なんだか買い物をする気分にはなれなくて
家に帰ることにした




『はあ・・・』


もし順番が違ったらどうなっていただろう
そんなことを考えてしまう自分が
たまらなく嫌だった

文哉をちゃんと好きになったのは
きっと付き合ってから

でも・・・熊谷亮は？

文哉と付き合うまでは
私はずっとあいつを見ていた


もし・・・
熊谷亮の方が先に告白してきていたら
こんな想いはしなかった？


自然と流れる涙をぬぐっていると
文哉から着信がきた


『もしもし？』

「あ、観月？大丈夫？」

『大丈夫って何が？』


今日熊谷亮と会ったことは
文哉には知らせていない


「嫌な予感がしてさ
何かあったんじゃないかって」


その言葉で私の涙は溢れ出す