私、リア充してます〜観月、OL、25歳〜

『帰って・・・』

涙を見られないように下を向いたまま
文哉の腕をつかみ玄関へと向かう

「ちょ、観月?」

突然泣き出した私に
文哉は訳が分からないみたい


玄関のドアを開け全力で文哉を突き飛ばした
すぐに鍵とチェーンをかける

ドアを叩く音と私を呼ぶ声を背中に受けて
リビングに戻ると文哉の荷物が
そのままだった

携帯と財布を手に取り
ドアを素早く開けて外へ放り投げた


―――
早く帰って
じゃないと本当に別れる
―――

そうメールを送ると
しばらくしてドアを叩く音が消えた

それとほぼ同時に涙がこぼれた