「もう、いかなきゃ。 授業、始まっちゃう…。」 フラフラと歩きだした莉々。 涙はもう、流れていなかった。 そう。 名前が同じだからって動揺するなんて…。 私らしくもない。 たとえ同じでも、昌とは別人なんだから 扱いはほかの人と一緒。 そう、あの人は"他人"。 動揺する必要なんて、どこにもなかったはずなのに。 「私、バカみたいね。」 前を向いた莉々の目には、冷たい光が宿っていた。