莉々が転校してきてから約2週間。


莉々に話しかける者は
誰1人としていなかった。



不思議だったのは、いつもならあるはずの自分に対しての悪口を含む密やかな囁きが聴こえなかったこと。


(ま、ないならないでいいんだけど。)


長い黒髪を軽くかきあげながらため息をついた。








このまま、


この生活がここでも続けられれば・・・。




















昼休みを告げる鐘が鳴り、


莉々の足は学校の外へと向けられた。