「おい、聞いてるだろ?」


「うーん。真ん中辺だよ?」


「ふーん。」


俺は、聞いた割には軽い返事をした。

そして、鈴奈に手を差し出す。


「はい。」

そういうと、鈴奈はニコッと笑って、差し出した手に自分の手をのせた。



俺が聞いた意味分かった?

俺よりも小さいなって

クラスでどれくらい小さいんだ?って

鈴奈にときめく男子がいるんじゃないかって。


単なる焼きもち。こんなの俺らしくねぇ。




「鈴奈姫、行きますよ。」

そう、鈴奈に言って、前に進む。
電車を降りると、人ごみの中をぐいぐいと押して、進んでいった。


「秀樹・・・きついよっ!」


なぁ、鈴奈。

俺は、春ちゃんを想って思ったんだ。

鈴奈にはつらい想いさせてしまったかもしんねぇけど、

鈴奈が俺にとって大きな存在になってた。

鈴奈、つらい想いさせちまってごめんな。

また、春ちゃんの時みたいにほかの女の子に目が眩むかもしれない。

でも、俺は、鈴奈だけだから。


春ちゃんには、迷惑かけた。

鈴奈と仲良くなれたのは春ちゃんだったし、心の支えになってくれてた。

そして、俺らの仲を持ってくれたのは、春ちゃんだったから。

これからも親友でいてやってくれ。そんな立場じゃないかもしれないけど。



俺らは、ずっと進んでいくから。


きっと明日は・・・

幸せな未来が待っていると信じて。


[END]