【古村 秀樹サマ】


と書かれたひとつの封筒。



「秀・・・樹??」


また、ラブレターじゃね??


こりねぇな。


鈴奈は気づいてないようだ。


そのまま、封筒をポケットに隠した。



「さっきの何??」

気づいてたのか・・・しゃ~ね~なッ!!

「知らねぇ・・・家で見てみるわ。」


「ラブレターだったら・・・許さないからっ!」


許してもらわなくても・・・



「じゃぁ、行こっ♪」

そう言って、鈴奈は俺の手を引いた。


これが嫌なんだ。

テンション上げて、手を引っ張る。

子供みてぇ・・・



「鈴奈。」


「あっ、ゴメン。」


鈴奈はシュンとした顔になった。


付き合いたての最初は、この顔の虜だったのだが・・・
今は、ときめかねぇ。