あれから何時間たっただろう。 眠たかった目も完全に冴えて、目を瞑るのでさえ怖くなった。 前方に見える“手術中”の文字は未だに光ったまま。 隣では拓人のお母さんが俯きながらソファに腰掛けていた。 拓人のお母さんは再婚してるらしく、拓人の義父と言われるであろう男性に寄りかかっていた。 拓人のお母さんも心配でたまらないのだろう。 さっきからそわそわしていた。 私も人のこと言えない。 さっきから手術室の前をうろうろしていた。 “拓人は生きてる、約束だもん” そう思いながら…