横断歩道に差し掛かる。 ここの横断歩道は大きく、待ち時間も長い。 今日はたまたま赤信号に引っかからなかったから、待たずに渡ることができた。 「それにしても人多かったよね…私、ちょっと疲れちゃった」 「帰ったら早く寝なよ。またお昼になったら迎えにいくから」 「うん」 私たちが横断歩道を渡り切ろうとしたとき…。 「危ない!」 「え?」 拓人の叫び声でとっさに振り向いた。 目の前には赤信号にも関わらず前進してくるトラック。 血の気が引いた。 恐怖で足が動かない。