「……そんな可愛いこと言わないで。 理性保たなくなるから。」 拓人は照れながら、私の頭をわしゃわしゃと撫でた。 ・-・-・-・-・- 新年が開けるまで、残り1時間を切った。 神社は既に参拝客で溢れ、目を離したら直ぐに迷子になりそうなくらいだった。 私は離れないように、必死に拓人の手を握った。 人の波に呑まれて、手がほどけそうになっても、必死に手を握った。