明日も君と。



「それから、拓巳は彼女を作ってない。
女友達もロクにいない。
女子とまともに話してるのを見たこともない。
あんなにモテるのに。
まだ・・・
姉貴を忘れてないんだ。きっと」




「ごめん。あたし・・・無神経だった」





「希美は悪くないよ。
それに、拓巳が女子とまともに話してるの見たのは
お前が久しぶりだから…」


「・・・自信ないよ。あたし
拓巳くんのこと好きじゃなくなれる自信
・・・ないよ、」


「いいよ好きだって。拓巳にいつか好きな奴ができれば俺だって嬉しい。
ただ・・・それが希美だったら
ちょっとだけ悲しいかな」


「・・・それはないから平気だよっ」


「俺だって。諦めないから。」




沈黙が、

セミの鳴き声によって

かき消される。


それが今だけ、少し安心させてくれる。