しばらくすると、
仲の良い、晴、美咲、葉月、さくらが登校してきた。
みんなは、電車の方向が同じだから、
ほとんど毎日、同じ電車で登校してくる。
「もーほんとに希美たちって、じれったい!」
おはようの前より、いきなり言われた。
これは今までに10回は言われたこと・・・;
「健之介もなんだかんだ草食だしね!」
あたしは、最近、みんなに言われて気が付いた。
恋をしたことがないあたしは、
自分では気付けなかった。
あたしが今まで思ってた"好き"が、
友達の好きじゃなくて
異性への好きだって。
これが恋なんだって
みんなが言ってた。
だけど・・・
好きな人と、付き合いたいって思うのは普通のことなのに。
あたしは健之介と付き合いたいとは思わない。
このまま一生幼なじみとして馬鹿やってたいし、
腐れ縁でもなんでもいいから親友でいたい。
そう思うのはおかしい?
自信がなかった。
これが“恋”だって言える自身も。
これは“恋”じゃないって言える自身も。
恋なんて、
あたしにとっては、未知の世界・・・だから

