恋の歌

歌いながら弾く転校生。







その歌声は聞き惚れるほど甘声で。








歌詞は切なく、私は一筋の涙を流した。










知らなかった。








この曲に歌詞があることも、こんなに深い意味があったことも。









転校生は弾き終わると、私の前に立った。









「何で泣いてんの。」







そう言って優しく涙を拭った。







「さっ‥触らないでよ。」







私は慌てて背を向け、自分で涙を拭った。