恋の歌

春樹は奏多さんを睨み続けた。






「ユミはあっさり手放したのになぁ?」


「黙れ。」







ユミ?







もしかして‥。






春樹は奏多さんに殴りかかろうとした。





「お前が先に奪ったんだ。」


「は?」






春樹の手が止まる。







「俺とユミは付き合ってた。でもお前が現れてユミは俺の元を去った。」


「…。」


「俺は諦めきれなくて、浮気相手としてでもいいからユミを引き留めた。」


「そんなの出任せだろ。」







春樹は奏多さんから離れた。