ありふれた涙



伸ちゃん


お元気ですか?

こちらは、相変わらず忙しくしています。


あなたがアメリカヘ発ってからもう3年も過ぎました。
そろそろ帰ってきてもいいじゃない
手紙も返信してくれてもいいじゃない

なぜ、連れて行ってくれなかったの?


伸ちゃん・・・

帰ってきてください。











これで、何度目の手紙だろうか・・・
恋人だった・・・
いや、今も恋人(であって欲しい)の伸ちゃんが
この田舎からアメリカヘ発ってから3年・・・

この町もすごく変わった

今では、人類宇宙進出計画なんて出てるの
あと2年もすればできるらしい

この田舎がこんなになっているんだから
あなたの行ったサンフランシスコもすごいんだろうなぁ


あぁ・・・
どうして、置いて行ったの?

また、伸ちゃんのことばかり考えているよ

お見合いの話なんて何回もあったわ
けど、

伸ちゃんがいるから断っておいたのよ






なんて独り言を吐きながら私は企画書の訂正に取り組んだ。

部長が早くしろと視線で威圧をかけてくる



伸ちゃんはとにかくすごい人だった。

いつも、何かに真剣に取り組んでいて
もしそれが、自分のためにならなくても真剣にやる人だった

それから、たくさんの夢を持っていた
私なんかには到底できないような夢

歌手になるとか、作家になるとか、俳優とか・・・
あ、宇宙飛行士もあった

そんな伸ちゃんがアメリカヘ行ったのは3年前の今日だった・・・