「ママ!ちょっと散歩行ってくるね」
「暗くなる前に帰ってきなさいよー!」
「はーい!いってきまーす!」
そう言ってドアを開けると
そこには祐がすでにいた。
「準備できた?」
「うん、遅れてごめん・・・」
「いいよ、いつものことだし」
「なにそれー!ひどいなぁ」
「ふはっ嘘だって、行こうか」
「うん」
いざ歩き出してみたけど
会話がまったく浮かばない
彼は彼で困ったような焦ったような複雑な顔をしながら
夕焼けになりかけた空を見上げていた
少し歩くと小さいころによく遊んだ公園が見えた
祐の提案でその公園によることにした
「なんか、この公園も古くなったよな」
「うん・・・」
この公園は私たちが遊んでいたころに改装された公園だった。
けれど、今では使う人が少なくなったのか
ペンキがはげてるところがあったり
錆び付いていて変な音が鳴っていたりと
すこし薄気味悪い感じもする。
「なぁ、憶えてる?」
「・・・何を?」
「ここでプロポーズしたこと」
「憶えてるよ・・・」
ちゃんと憶えてる。
それは、本当に幼いときのことだった。
まだ、結婚がいつできるかもどうやってできるかもわからないくらい幼い頃だった
「さっちゃん!」
「なぁに?ゆうちゃん」
「あ、のね!」
「うん?」
「ぼくと、けっこんしてくらしゃいっ!////」
「ふふっいーよぉ!」
「ほんとに?」
「うん!だってさち、ゆうちゃんのことだいしゅきだもん!」
「ぼくも!さっちゃんのことしゅきだよ!!」
「じゃぁ、ふーふだねぇ!」
「うん!ぼくがさっちゃんをずっとずーっとまもるからね!」
「おねがいします」
「「あははははっ」」
そんな、ただのおままごとみたいな口約束だった。
だから、祐が憶えてるなんて思ってなかった。
