君しかいない。


ガラ
乾いた音が、床のきしむ音と共に聞こえる。


「おぃ、お前ら静かに〜」


ダルそうな先生が、こちらもダルくなりかねない声で言う。


……が。



教室は、しんと静まり返った。



何で……?

決まってる。




クラスみんなの視線が集まる先には、“赤毛の彼”がいたんだから。