「ハァハァハァ…。勢いで最上階まで来ちゃったよ…A組一階なのに……てゆーか、相馬君だっけ?さっきの子…。勢い余って最後英語になったし…ハァハァハァ…ま いっか」

息を整えると

どこからか聞こえる音色

「ピアノの音だな…音楽室でもあんのかな?」

音色につられ歩いていく

近づくにつれ
大きくなる音色

「聞いたことあるなぁ…なんだっけ?」

気付くと音楽室の扉の前にいた

勝手に扉をあけてしまった

「おわっ………!!!???」


「あ…さっきの新人教師」

「さっきの無愛想生徒!!」

「ぶ…無愛想生徒!!!???」

「んだよー…人の独り言は聞くし、人の癒やしタイム邪魔すっしい」

さっきとはいえ明らか態度が違う
何かあったのか?


「現代文の教師じゃなかったんですか?」

「現代文の教師ですよ、ピアノは趣味ー。」

「へー。興味ないけど」

「無愛想だなぁ」

「先生こそ…さっきの輝きはどこいったんですか?」

「輝き?なにそれメルヘン学生か」

「ピアノ下手くそだし」

輝きがなくなった新人教師に
少しだけガッカリした

「………下手くそかな?」

「拍子がバラバラだし、音濁ってるし…力強いし」

「んだよ、お前ひけんのか?」

「弾けないよ」


と言いピアノの上に手をおくと
耳コピでさっきの曲を弾く

「弾けないよ!!!!!」

「いやいや弾けてるだろ」