「あ、冬歌じゃん!!担任の授業サボるとか、さっすがー」
笑いながら叫ぶ彼女は小学校からの同級生、咲。
この学校一端正な顔をしているのに、県下一の進学率を誇る我が校で一番の秀才。
完璧とはこの様な人をさすのではないだろうか。
「やっぱー?私、ビッグになるかも」
私の返答にガハハハと笑う彼女は、とても馬鹿っぽく見えてしまう。
「次の授業はどうすんの?」
咲が、勿論サボるよね、みたいな馬鹿にした目で見てくるから胸を張って言ってやった。
「次は音楽だよね。真面目な冬歌さんは出まーす」
「大塚さん目当てでしょ」
にやける咲にまぁね、とドヤ顔をした。