教室に入るといつも以上に騒がしい




みんなあの転校生の事が気になっているらしく



あちこちで噂話が聞こえてきた




俺らに比べ女子連中のテンションが高い




もしこの転校生が女だったら



このテンションは男子だったに違いない!





クラス担任が入ってきた




陸上部顧問の宮田だ




代わり映えしない担任だったが



俺にとっては尊敬できる部類の人物だ




それにやっぱ顧問が担任だと



何かと都合が良かった





宮田が挨拶を始めると



教室が一気に静まり返った





みんな興味深々で



宮田の後に入ってきた人物を観察している





勿論俺も…




「みんなも分かってるやろうけど


今日からこの学校で一緒に勉強する甲斐や!」




宮田が紹介する




黒板に書かれた名前“甲斐祐輔”




「甲斐、自己紹介せえ!」





ずっと下を向いていた顔を上げた瞬間…




クラス全員が固まったに違いない





俺が今まで見た事のないような整った顔だった




(こんな綺麗な顔した男、おるんやぁ…)






そんな“祐輔”がニッコリ笑っていた