「嫌っ!」



〈!!〉



「……ごめん…なさい。
私、…ブスだから。」



〈ブス?そんなブスな人なんていないよ!
それは、自分で自分のことを
ブスって思ってるだけ。
私だって自分はブスだって
思ってるよ!〉



そんなはずはない。
私が見た限り、実宇は美人だ。
ただいるだけで男が寄ってくるような、
高校一年には見えない
大人びた綺麗な子。



〈ね?〉



実宇はもう一度、私の髪に触れた。
私はもう、抵抗しなかった。
実宇だけは、なぜか
受け入れられた。



〈…かわい…。〉



私の顔を見た実宇が、
一番最初に発した言葉だった。



「…かわいくなんか…ないから……。」



〈かわいいよ!
夭乃、髪の毛結ってみたら?〉



「え……そ…そのうち…。」



〈そのうちって。
まぁいいや!じゃっ!改めて!
よろしくね!〉



「…よろしく……。」



こうして私に、初めての友達ができた。