席に着いてすぐ、
いつものようにカバンから本を取出し、読みはじめた。



〈ねぇ!〉



声を掛けられ、肩を叩かれた私は
ビクッとした。



〈そんなにビックリしたの?
私、佐野実宇(ミウ)!
よろしくね!〉



いきなり自己紹介をされ、戸惑う私。
私の顔を覗き込み、
あなたは?っていうオーラを
出していた。



「あ…新井……夭乃。」



〈夭乃?かわいい名前!
よかった!友達できそうで!
私、引っ越ししてきたの!
夭乃が最初の友達!〉



友達…―



〈夭乃?ちゃんと顔見せてよ!〉



実宇は私の長い髪の毛に触れた。