ブス子の彼氏はplayboy

「…話しって?」



『夭乃と話したかっただけ。』



「…!」



『夭乃、ちゃんと顔上げて。
夭乃の顔見たい。』



「…かわいく……ないから。」



『夭乃はかわいいよ。
昨日みたいに笑ってよ。』



笑ってよ…―。



私は今まで、笑ったことが
なかった気がする。
実宇や侏羅といる時だけは
笑うことができるように
なっていた。



私はゆっくり顔を上げた。



『ゴム、持ってる?』



「…持ってるけど。」



『貸して。』



前、実宇に髪結ってみたら
って言われてから、
ゴムをポケットに
入れて歩いていた。



そのゴムで、侏羅は
私の髪を結いだした。



『こっちのほうがかわいい!』



………チュ…



不意に私の唇に触れたのは…。


―キス…?―