『新井さんって、
ちゃんと見たら、すっごい
かわいいんだね!』



「え!…そんなことありません!」



『そこまで拒まなくても…。』



私が大声で拒んだのを見て
男はまた笑った。



『それじゃあ。』



男は私に背を向けて
帰ろうとした。



(お礼…)



「水谷さん!」



私は男を呼び止めた。



『なに?』



「…お茶でも、飲んで行きませんか?」



『じゃあ、ちょっとだけ。』



この人と話していると
なぜか落ち着けた。
嫌なことも全部忘れて
笑って話していられた。