なんか…私と誰かの声がかぶったような…。
「お前は堂々と菓子持ってきてんじゃねーよ。」
声がした方を振り向く前に、上谷の手からチョコが消えた。
「ゲッ…冨田先生…。」
「ゲッとはなんだ。お前は挨拶もできないのか?」
「あーすいません。おはようございます…。」
なんだこの状況。
上谷が逆の立場になってるぞ。
そして我らが担任の数学教師、冨田先生に攻められ続けているではないか。
「…お前の数学の点数発表してやろうか?」
「えっなんで!!!おかしい!!」
「うるせー、何かムカつくからだ。」
「理由になってないっすよ!!!」
「知るかそんなもん。」
「ひどすぎる!!」
このやりとり…めちゃくちゃ面白くないか?
SとS同士がぶつかりあって上谷がMに変わっている。
ふふっ、この光景は貴重だな。
「おい、田中。」
「はひっ!?」

