先生と執事



「それは…誰かがOKを出したの…?」




「え…私ですが…。」




「なんで勝手にOKだしたのよ!!上田なら……」




「…?お嬢様…?」




駄目だ、先生にこんな事言っても仕方がない。




昨日初めて執事になった人にそこまで求めてはいけないんだし、これから一つ一つ乗り越えていかなきゃ。





産まれてからずっと一緒にいた上田とは全て違って、比べてはいけない。





他人と比べられる事ほど悲しい事はないのも知ってるしね…。





「ごめんなさい…ちょっと驚いちゃって…。」





「もしかして、何かご都合でも…。」




「大丈夫、何もない…でも、これからはOKを出す前に聞いて下さいね。」





「はい、かしこまりました。」





さっきの勢いとは違い、今の私はとても冷静に話している。




その姿が先生にとっては少し気にかかったようで、顔が強張っていた。