ちょ…待て待て待て!!
今退職って言った!?
「何でそんな急にっ!!」
ずっと私の面倒を見てくれるんじゃないの!?
「…そろそろ私も年ですので…。」
「年…か。」
あぁ、それもそうか。
上田は私が産まれるずっと前から、この田中財閥に仕えてきた執事なのだから。
「…上田…今までありがとう。」
「いえそんな…こちらこそ有り難うございました。
では、お嬢様が帰宅なされた時に新しい執事を紹介致しますね。」
「…解った、じゃぁ行ってきます。」
「はい、いってらっしゃいませ。」
上田からの最後の『いってらっしゃい』を聞いてから、私はゆっくりと学校に向かった。

