「だから、執事の仕事ももう終わりだそうだ。」
「……んで急に。」
「何でもアメリカには違う執事を連れてくとかでな。雄輝の教師としての事も考えてくれたんじゃないか?」
「……アメリカ?」
麻椿がアメリカに行くのか?
そうだよな、だから学校を辞めたんだとしたら辻褄があうもんな。
「聞いてなかったのか?」
違う。
聞いてなかったんじゃない、聞かされなかったんだ。
麻椿が周りに黙っといてくれとでも言ったんだろう。
だとしたら、こんな中途半端に聞いてしまうより最後までしりたくなかった。
こんな、残酷で悲しい真実。

