コンコンッ
「失礼します。」
「おー、そこに座ってくれ。」
朝の連絡通り理事長室に足を踏み入れると、ミルクティーの匂いが鼻をかすめた。
どこか懐かしくていい匂いだ。
「今日は色々報告があってな。それで来てもらった。」
「あぁ…」
目の前に出されたティーカップに手をかけて少しだけミルクティーを口に含む。
「実はな……」
カシャンッ
「…は?何言って…」
勢いよく置かれたティーカップからは、ミルクティーが無惨にこぼれていた。
「落ち着け雄輝、これには訳が…」
「っっ意味わかんねぇ。」
『田中さんが、学校を辞めたんだ。』
そんな真実つきつけられて、誰が落ち着いてられる?

