「身体…気をつけてな。」
「うん、上谷は頭気をつけてね。」
「…どういう意味だ。」
「留年するなよって事、ふふ。」
男に涙は似合わない。
いつかそんな事ドラマで言ってたっけ。
昔の俺じゃ解んないけど、今の俺ならそれも何となく解るかな。
ただ、俺の腕の中で必死で笑おうとしている彼女を困らせたくなくて…。
俺は零れそうになった涙を止める事にした。
「ちゃんと大学行けるように頑張るよ…。」
「…楽しみにしとく。」
「行ってらっしゃい、会長。」
「ふふ…行ってきます。」
抱きしめていた手を離し、お互い顔を見合わせて笑った。
その後は、いつもと変わらずにバカな話しをして最後の別れをした。
絶対いい男になって後で俺をふった事、絶対後悔させてやるからな。
だから、また会える日まで。
さよならだ会長。

