「さよなら…先生。」 こんなに幸せな夜は一日だけにしとこうと思うの。 神様にお願いした今夜だけに…。 握った手をもう一度握り直し、先生を見つめる。 忘れないよ、先生の温もりや感触。 忘れれる訳がないから。 「ごめんね…ありがとう。」 安心して眠っている先生のおでこにキスをし、ゆっくりと手を離す。 そして私は、今まで生きてきた中で一番幸せで一番悲しい夜に終止符を打つかのごとく部屋を出た。