｢…完敗です。｣
見事に全て当たってますよ。
｢いいから、もう何も考えずに行きなさい。｣
｢でも…っ。｣
｢行きなさい。｣
｢ーーっ。｣
こんなに怒った顔をするじいちゃんは初めてだ。
はぁ…観念しよう。
じいちゃんには叶うはずねぇしな。
離していたドアノブにもう一度触れ、少し捻る。
｢雄輝。｣
すると、その瞬間じいちゃんが俺を引き止める。
｢自分の言いたい事をきちんと言いなさい。｣
｢え？｣
｢好きなようにしていいから。｣
｢……はい。｣
｢行っておいで。｣
｢…行って、きます。｣
じいちゃんの笑顔を最後に、捻ったドアノブを押してゆっくりと部屋に足をいれた。
