ピッピッピッ
「お嬢様、起きて下さい。学校の支度をなさるお時間ですよ。」
「ん…今起きる…。」
いつもと変わらぬ朝、いつもと変わらぬ私を起こす執事の声。
そう、何もかもが毎日当たり前のように同じだった…。
今朝、までは……。
「じゃぁ上田、行ってきます!!」
「あ、お嬢様お待ち下さい!!お話があります。」
あれ…いつもなら何があっても『いってらっしゃい』って言うのに…。
よっぽど大切な話しなのかな?
「…どうしたの?」
振り返って上田の顔を見ると、とても言いにくそうな顔をしているのが解った。
「私は今日で退職させて頂きます…。」

