黙ったままのシュウ
すると、細い指が私の髪の毛にそっと触れた
顔を上げるとシュウが私に一歩近づいてきて
その行動にどきりとする
「あのさ……」
さらりと落ちる髪の毛の音が
やけに大きく感じる
「期待させるようなことしないで…?」
「っ……」
「その仕草だけで、かなり振り回される…」
その声はいつもより少しだけ低くて
それだけで、不安になる
「シュ、ウ…」
「あいつとのデートはいつ行くわけ?」
「え……」
「行くんだろ?あの後輩と」
もしかして、川原くんのこと…?
でも、どうして?
どうしてそんなこと聞くの…?