手渡そうと差し出すと
シュウは不機嫌そうな顔をした

「別にいらなかったのに」

「え……でも、せっかくお母さんが作ってくれたんだから食べないと…」

「……わかったよ」

私の手から乱暴に弁当箱を取る

「わざわざ、こんなことで呼び止めないでくれる?」

「あ……」


いつもと同じ冷たい態度
その言葉が胸にささる

シュウはそんな私に気にも止めず
弁当箱片手に背を向けた


私はただ、その遠ざかっていく後ろ姿を
眺めることしかできなかった…

「はは。私、嫌われてるなぁ…」

掠れた自分の笑い声に
また悲しくなった…