息が白くて寒い朝

下駄箱で上履きを手にとると
冷たさが手に伝わってくる


履き替えて教室へと向かうと
見覚えのある背中が見えた

一気に緊張してしまう

いつもそうだ、
この人のことを考えるときゅっと胸が痛くなる

それに気付かないように
そっと口を開く

「お、おはよう」

でも、振り返ったその表情は
いつもと同じで冷たい…

何も言わない彼に私は俯いてしまう

「あの…先に行っちゃったからこれ渡しそびれて、」

私は鞄から
水玉模様の布に包まれた弁当箱を取り出した