………

「ふぅ、ご馳走様でした!」

朝食には少し多めな量ではあったが、綺麗に残さず平らげる。

夕飯といい、今回の朝食といい、実に貫の舌に合い、いつも以上に食べてしまった。

「ウ〜〜〜…食べ過ぎてお腹苦しい…
ちょっと散歩に行って来ますね」

「迷子になんなよ」

「記憶力には自信がありますから」

そう言い残して、貫は異国の街に繰り出した。

………

「ねぇ亮
彼、一人で大丈夫かネ?」

「まぁ、確かに弱っちい奴ですけどね…
仮にもウチのメンバーの一人、よっぽどのことがない限り大丈夫ですよ」

「そう………
………亮、なんで彼連れて来タ?
とてもじゃないけド、彼、役に立つとは思えないネ」

「………まぁ確かに、全く役に立たないでしょうね、今は」

「今ハ?」

「実はですね…ウチの所長が奴を買ってましてね、…奴はいつか大物になる、経験積ませる為に連れてってくれ…って頼まれたんですよ」

「ホ、所長というト…あの美那海響子カ
へぇ…そんなタマには見えないけどネ…」

「実際面白い奴ではありますよ
判断力、適応力、そして、咄嗟の時の行動力は、誰にも負けない、所長はそう言ってましたよ」