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「で?どれくらい進めているんだ?」

「はい、一度賊にジャックされた、ビル内部のセキュリティを初めとする全ての電子機器を、綾瀬さんが既に掌握済みです
鷹橋さん、大塚さん、桃戸さんの三名はヘリ内部で待機、所長からの突入の合図を待っています」

「ほう、完璧ではないか」

「はい、後は所長のご指示を待つだけです」

「優秀な部下を持って嬉しいぞ
突入を許可する
最悪、アベちゃんだけでも救出してくれ」

「鷹橋さん、綾瀬さん、所長から突入の許可が降りました
必ず“全員無傷で”救出して下さい
綾瀬さんはサポートお願いします」

どこに持っていたのか、手にした無線で話し出す男。

「フン、シャレの通じない奴だ」