[……その廊下の突き当たりを右に、そこから三番目の部屋にいるです]

「応、サンキューな」

監視カメラの映像が、賊にとっては問題のない映像のループに変わっている為、未だ男の侵入は気付かれてはいなかった。

壁に身体を密着させ、廊下の曲がり角から様子を窺う。

目的の部屋の前には二人の見張り、ここは静かに片付けておきたいところだ。

ジーパンのボタンを一つ引きちぎり、自分と反対側へ放り投げる。

………コッ
「!なんだっ!?」

床にボタンが当たるほんの小さな音に反応し、二人の見張りが右を向く。

その一瞬で、二人の首の裏を打ち、手際よく気絶させる。

ここまでは完璧であった。

だが、奇跡のように不運なタイミングで、内側から扉が開けられた。

「なっ!?
……し、侵入者だぁっ!!」