ミーンミーン
うるさい蝉と突き刺さる紫外線、まだ食べ始めたばかりなのにすでに溶け始めるアイス。
あたしは不機嫌極まりなかった。
『あっつーい!!』
誰かに伝えるわけでもなく叫んだのはもうすでに5回目。
『わかってる!!黙ってガリガリ君くってろょー』
あたしの隣で同じアイスを食べてるのは翔。
あたしたちはこの暑い中、バカみたいに公園で走りまくった。
実際バカなんだけどね(笑)
もう夕方だってのにこんなに暑いんだからガリガリ君も糞もない。
すでに溶けたガリガリ君があたしの手を通って地面に落ちる。
『手がベトベトだよジョニー』
あたしはベトベトになった手を振りながら言った。
『誰がジョニーだよ!!』
あははって笑う翔にキュンとした。
『っと。じゃあそろそろ行ってくるよジョン』
浮気相手のとこにね。
『ジョンでもねーょ!!(笑)じゃー俺も行くかな。行ってくるよメアリー』
そう言ってあたし達は別れた。
あたしは知らなかったんだ。
翔がどんな顔で去っていくあたしをみてたかなんて。
どんな気持ちであたしを送り出してたかなんて。

