「小さい頃に山重さんの写真集を見て以来、惚れ込んじゃってね。アタシもこんな風に写真が撮りたいって思って」
それから目指すようになったのよと、直樹は言った。
そんな初めて聞く話に、花音は微笑みながら頷いた。
カンカンと階段を上る音が複数響く。
「とにかく素敵な写真を撮る人なのよ。実はアタシが働く予定のフォトスタジオの責任者だったり」
「えぇ?! 凄いじゃん、直ちゃん! 憧れの人の所に入るって事でしょ?」
「うん」
「おめでとう!」
「ありがとう。ふふ、ノンノンには見て欲しかったの。アタシが師と仰ぐ人の写真」
「そっか。そっかぁ。嬉しい」
楽しそうに笑う花音の声に、直樹も一緒に笑った。
入り口で二枚のチケットを渡した直樹の後に花音は続いた。
手早く見てしまえば三分弱で見終えてしまいそうなほど小さなフロアには、ぎっしりと写真が敷き詰められていた。
「わ…ぁ…っ」
花音は驚きの声を上げる。
本当に隙間もなく大小の違う写真が展示されていた。
「すっごぉーい!」
「ふふ、驚くのはまだ早いわ」
小さな場所に入りきらないほどの写真の数に圧倒される花音の手を引き、直樹は山重友克の世界に花音を誘う。
壁一面に展示された写真はどれもこれも人の写真だった。
泣き笑い怒り悲しむ、たくさんの人の姿。それは日本に留まらず、世界各国の人を写し出していた。
それから目指すようになったのよと、直樹は言った。
そんな初めて聞く話に、花音は微笑みながら頷いた。
カンカンと階段を上る音が複数響く。
「とにかく素敵な写真を撮る人なのよ。実はアタシが働く予定のフォトスタジオの責任者だったり」
「えぇ?! 凄いじゃん、直ちゃん! 憧れの人の所に入るって事でしょ?」
「うん」
「おめでとう!」
「ありがとう。ふふ、ノンノンには見て欲しかったの。アタシが師と仰ぐ人の写真」
「そっか。そっかぁ。嬉しい」
楽しそうに笑う花音の声に、直樹も一緒に笑った。
入り口で二枚のチケットを渡した直樹の後に花音は続いた。
手早く見てしまえば三分弱で見終えてしまいそうなほど小さなフロアには、ぎっしりと写真が敷き詰められていた。
「わ…ぁ…っ」
花音は驚きの声を上げる。
本当に隙間もなく大小の違う写真が展示されていた。
「すっごぉーい!」
「ふふ、驚くのはまだ早いわ」
小さな場所に入りきらないほどの写真の数に圧倒される花音の手を引き、直樹は山重友克の世界に花音を誘う。
壁一面に展示された写真はどれもこれも人の写真だった。
泣き笑い怒り悲しむ、たくさんの人の姿。それは日本に留まらず、世界各国の人を写し出していた。



