コンコンと扉を叩く音の後、カラリと開いた扉の隙間から由希が顔を覗かせる。
「パーティーは終わった?」
どうやら、盛り上がっている際に少し覗いたようだ。
邪魔しないよう気遣う由希の声に花音はにっこり笑む。
「じゃあ、あのー花音ちゃんをお借りしてもよろし?」
申し訳なさそうに由希は言い、祥多と直樹の返事を仰ぐ。
祥多と直樹は互いに顔を見合わせ、直樹が答えた。
「別に構いませんけど…」
「本当? じゃあ、花音ちゃん」
「あ、はい。ごめん、後はよろしく」
花音は謝りながら病室を出て行った。
花がなくなった病室の中に、沈黙が流れる。
「何の用かしら」
「さぁな」
祥多はさして興味のない風に言い、引き出しの一段目を開けて何かを取り出した。
室内の色と同化してしまいそうな白い封筒。数秒間それを見つめ、こちらに背を向ける直樹に目を移した。
「直」
いつもと同じ呼び名で呼ぶと、直樹は少し驚いたような様子で祥多を振り返った。
驚く直樹に、祥多は戸惑う。
「どうしたの、タータン」
直樹が声をかけると祥多は目を泳がせ、言葉を濁した。
いつもと違う様子に気づいた直樹は、祥多を安心させる為に笑みを浮かべ、パイプ椅子に腰かけた。
祥多はまだ少し迷いがあるのか、口を手で覆って唸る。
「パーティーは終わった?」
どうやら、盛り上がっている際に少し覗いたようだ。
邪魔しないよう気遣う由希の声に花音はにっこり笑む。
「じゃあ、あのー花音ちゃんをお借りしてもよろし?」
申し訳なさそうに由希は言い、祥多と直樹の返事を仰ぐ。
祥多と直樹は互いに顔を見合わせ、直樹が答えた。
「別に構いませんけど…」
「本当? じゃあ、花音ちゃん」
「あ、はい。ごめん、後はよろしく」
花音は謝りながら病室を出て行った。
花がなくなった病室の中に、沈黙が流れる。
「何の用かしら」
「さぁな」
祥多はさして興味のない風に言い、引き出しの一段目を開けて何かを取り出した。
室内の色と同化してしまいそうな白い封筒。数秒間それを見つめ、こちらに背を向ける直樹に目を移した。
「直」
いつもと同じ呼び名で呼ぶと、直樹は少し驚いたような様子で祥多を振り返った。
驚く直樹に、祥多は戸惑う。
「どうしたの、タータン」
直樹が声をかけると祥多は目を泳がせ、言葉を濁した。
いつもと違う様子に気づいた直樹は、祥多を安心させる為に笑みを浮かべ、パイプ椅子に腰かけた。
祥多はまだ少し迷いがあるのか、口を手で覆って唸る。



