光が自閉症であると知った時は、光を家の中に閉じ込めて、世間の人には知られないようにしようと、バカみたいな事を真剣に考えていた。


そんな事は絶対不可能なのに、世間の人に知られると、母親の育て方に問題があるのではないかと思われる事が嫌だったから。



私は自分の事しか考えていなかったのだ。



自分も外へ出ることをせずに、光と家に引きこもる。


だけど、光はひたすら外へと出たがった。


色々な方法で外へ出ることを阻止をするのだが、光は素早くて、賢い。


こんな狭い部屋の中を逃げ回る光を、追い続きていることにも疲れはてた。


なら、思いきり外へ飛び出して、外で追いかければいい。


そんな訳の分からない思いで、玄関の鍵を開けた。


さぁ、広い世界へ飛び出そう。