大雨の日、光が中々帰ってこない。


辺りは真っ暗で、まさか又迷子になったのか。


父さんが探しに行き、私は家で待つことにした。


田舎の道で寄るところもなく、いったい何処へ行ったのだろう。


父さんから連絡が来て、光は帰り道とは反対の葬儀会館の下で雨宿りをしていたらしい。


何故、そこで雨宿りをしていたのかは分からない。


光に聞くと、雷が凄くて、屋根のある場所なら雷が落ちないと思ったらしい。


スマホを持たせているのだが、あまり連絡をしてくることはないのだ。


無事に見つかって良かったと思う。


小学生の時も中々帰らず探しに行くと、違う道を探検していたと言うし。


迷子になったり、嫌なことがあると、中々家に帰ろうとしない事も多かった。


それが光の反抗期だったのか。


光は常に劣等感をためていて、それがストレスになっていると言われた事がある。


円形脱毛症になったり、白髪が増えた事もあった。


それは光に取って、かなりのストレスだったのだろうか。


光は幼稚園と小学生も二男の薫と一緒に行きたいと意志を示した。


中学も青空学園も自分で行くことを決めた。


仕事先も、ツバサ作業所、社会法人ステップ、そして、今働いている、おいかわ病院。


光は自分で選択をして進んで来た。


それが正しかったのかは定かではないが、光は自分の考えで、自分の足で、前を見て、未来を見つめて歩いていることは確かなのだ。


光と一緒に歩いて来た、ここまでの道のりは決して楽な事ばかりではなかったが、泣いたり笑ったりの繰り返しで、私の所に生まれてきてくれた光には感謝の気持ちしかない。