おいかわ病院の仕事も慣れた頃、川野事務長からもう一人の人が光と一緒に仕事をするようになったので、光にその人の面倒を見て欲しいと言われる。


光は仲間が出来て喜んでいたのだが、その人も自閉症で会話は出来なくて、一つの場所にいることが出来ない。


スリッパの洗浄をする部屋は会議室で、会議室の隣にはおいかわ病院の医院長の部屋があり、その部屋にその人がいきなり入ってしまうらしくて、結局彼は仕事には着けなかった。


光は仲間がいなくなった事を悲しんでいた。


自閉症の光の目立つ行動は、一人言をずっと言い続ける事、もう一つは蟹さん歩きをする事。


一人言は仕事中には言わないし、蟹さん歩きもしない。


その一人言の特徴は、自分の好きなテレビ内容をずっと言い続ける、最初は話しかけられていると思い、その一人言に話しかけてりもしたが。


ご機嫌な時に一人言がよくでるように思う。


後の蟹さん歩きは、溜まったストレスなどを蟹さん歩きで発散させているのではないかと養護学級の先生に言われ、成る程だと思えた。


例えば、広い体育館で集まりがあった時など、集まっても直ぐに始まらないと、光はよく蟹さん歩きをして、周囲を驚かせていたことを思い出す。


今でも広いスーパーに行くと、蟹さん歩きをしているし。


最初はそれを止めたりもしたが、その行動は光には必要な事なら、回りがどう思おうとも私は平然としていようとしている事を決めた。


自閉症を全ての人に理解をしてもらうのはかなり難しい。


一人でも多くの人に理解をしてもらえる事が嬉しいと思えるようになった。