光を追いかけなくて良いのだろうか。


落ち着かない。


「お母さんは椅子に座って下さい。光君はあのままでいいですからね。」


何処にいても光をずっと目で追い、休まる事はなかった。


「光君はあのままでいいです。お母さんとお話をしたいと思います。」


光を理解してくれる人にやっと出会え、嬉しくて涙が溢れた。

ホッとしたと言うのが本当の気持ち。


「お母さんお疲れ様。頑張りましたね。」


そんなことばを言って貰えるだなんて、夢にも思わなかったか。


私は何も頑張ったりしていない。


長男と二男には関わらずに、ひたすら光といた。


ごめんね、母親失格だ。


栗田先生に今までの事を全て話すと、栗田先生は黙って聞いてくれた。


光の話を聞いて貰える事が、本当に嬉しかったのだ。


誰にも話せず、理解もしてもらえない。


毎日、途方にくれていた。


光の話を聞いてもらえる事が、こんなにも嬉しかったとは。


胸の中に使えていたものが取れた気分。