上島くんはあたしが叩いた頬を触る。



「こんな俺にビンタするやつ、両親やタケ以外で初めてだった、俺に近づいてくれたから…」


「上島くん…」


「だからありがとうな、由美」



ありがとう…


あたしはその言葉が響いた。


上島くんってそんなに悪いやつじゃない。


それがわかった。