すべての文字が出てきたとき、イブがパチンと指を鳴らした。文字が全て、日本語になっていく。

「ターゲットを死期まで守る。死期が来ていない者の魂を狩ってはならない。」


何だ、ちゃんとしたルールがあるんじゃない。サーッと目を通していくと、所々気になるものがあった。


"人間に深入りしない"

"ターゲット以外とは関わらない"


どうしても人間と仲良くしたくないみたいだ。しつこいぐらいに人間との関わりについて書いてあった。

中でも一番気になったのが、一番下に書いてあった掟だった。


"人間に恋をしてはならない"


妙に強調してあるような、何だか目立つ字で書いてあった。その下には、"掟を破った者には、罰を与える"そう書いてあった。


「掟ってこんなにたくさんあるんだね。これを一つでも破ったら罰を受けなきゃならないの?」


もう一度、一番上の掟から見直していく。イブの方から、舌打ちが聞こえてきた。


「よく読めよ。一番下に"掟を破った者には、罰を与える"って書いてあんだろ。」


そんなに怒んなくてもいいのに。よっぽどあたしのことが気にくわないみたいだ。


「はい、そうですね」

怖いから逆らわないけど…