ツカツカと歩み寄ってきたハチは、あたしの手を引いてNo.5から引き離した。
「早くその女を殺せ。」
やっぱり、悲しそうな顔をしてる。あたしと話をしてたときとは違う顔。
「上のやつらに言われたのか? 海を殺しに行けって言われたのかよ!!」
No.5と同じで、ハチも悲しそうな顔をしていた。友達だもんね、仕方ないよ。
「違うよ、ハチ。No.5はあたしを助けてくれたの、あたしを殺しに来たんじゃないよ…」
首の傷がズキズキと痛み始めた。とっさに傷を手で押さえる。血が出ている感覚があった。
「何言ってんだよ……No.5は敵だぞ」
「でも…っ……他の死神から助けてくれたの。ハチのこと心配してるんだって、罰を受けてほしくないから…」
ゴンッ…
「痛いっ!」
後ろから頭をたたかれた。結構な力で、頭が一瞬フラッときた。絶対…………No.5だ。
「お前余計なこと喋ってんじゃねぇよ」
目を疑った。
あのNo.5が、照れているからだ。頬を少しだけ赤く染めて、そっぽを向いている。
「え、No.5照れてんの?」



